グループホーム

 

 重度認知症も受け入れ!

 厚労省、来春から!


 認知症(痴呆(ちほう)症)のお年寄りが共同で暮らすグループホームに入居する対象者について、厚生労働省はこれまで著しい徘徊(はいかい)や混乱症状がある人が除かれていた介護保険の規定を改め、認知症で日常生活に支障があればだれでも利用できるようにする。来年4月から対象を拡大し、運営基準を改正する。重度の人も受け入れることになるため、施設管理者や職員らを対象にした研修も充実させる。ただ、サービスの質はバラバラで、職員らがどこまできめ細かくケアできるかが課題だ。

 介護が必要な認知症高齢者は現在、約150万人いるといわれ、グループホーム、病院、特別養護老人ホーム、自宅などで暮らしている。さらに10年後には250万人に達する。このなかで、5人から9人が入所するグループホームは、家庭的にケアできるため、厚労省は「認知症介護の切り札」とみている。

 さらに、00年度から導入された介護保険が適用され、ホーム数は急増。当時418カ所しかなかったが、今年2月には6273カ所にまで増え、今後も1日に数カ所ペースで新設されていくとみられており、受け皿としても期待されてきた。

 現在の介護保険法によるホームの定義や運営基準では、認知症のなかで「著しい精神症状や行動異常」がある人は入居対象者から除かれている。あばれたり徘徊の症状が出たりした場合に退去を求めるホームもあり、「動ける認知症」の高齢者が利用できない問題点が指摘されていた。

 厚労省は、すでに今国会に提出されている介護保険法改正案でホームの定義を改めており、来年4月に、運営基準の除外規定を削除する。対象外の人は、脳血管疾患やアルツハイマー病などの原因疾患が急性期の患者に限定する。

 見直しの背景には、認知症に対する研究や介護技術が進んだことがある。これまで問題とされてきた行動は、記憶障害が起きたり、時間や場所、人を認識できなくなったりして感情が不安定になるために起こることが知られてきた。

 一人ひとりの生活歴や心理状態を把握し、不安や孤独にさせたり、プライドを傷つけたりしなければ症状が抑えられることがわかってきた。

 このため、ホームの管理者、介護計画の作成者らに対し、充実した研修を受けてもらえば、重度の人にも対応できると判断。研修を管理者向きと実務者向きに分ける。これまで都道府県によって研修時間に差が出ていたのを、全国一律で計24時間のカリキュラムを必修とし、認知症の症状やケアの方法などを習得する。

 特に管理者研修では、利用者の家族や地域、医療とのかかわり、職員会議の開催、記録の重要性、職員研修の体制づくりなどを盛り込んだ。05年度から準備のできた都道府県で導入し、06年度から全国に拡大する。 

(平成17年3月28日 朝日新聞1面トップ)

 

私の感想

 『一人ひとりの生活歴や心理状態を把握し、不安や孤独にさせたり、プライドを傷つけたりしなければ症状が抑えられることがわかってきた』:この部分が重要なんでしょうね。

 私が診ている患者さんで、“問題行動”が非常に多い方も、施設の職員の対応の違いによって、常に問題行動がひどく出現する職員と、ある職員の前ではほとんど問題行動を起こさない場合があるそうです。

 後者の職員は、その患者さんに対して、“抱きしめたり”というスキンシップが多いようです。バリデーション療法を応用した手法になるのでしょうか。

 いずれにしても、今まで“重度で問題行動の多い認知症”の方は、精神神経科の閉鎖病棟入院というケースが多かった(=特養が待ち時間が長くすぐに受け入れ不可であるため)現状ですから、その問題解消につながれば大きな朗報でしょうね。

 

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