1日1杯未満(アルコールとして15g程度)の適度の飲酒をしている群は,飲酒の習慣が全くない群と比べて認知症へ進展する割合が85%低かった!
軽度認知障害(MCI)は認知症のいわば前段階とされているが,適量のアルコール摂取がMCIから認知症への進展を抑制する可能性があることを示唆するデータを,イタリアのグループがNeurologyの5月22日号に発表した。
対象はItalian Longitudinal Study on Agingの参加者で,認知障害のない1445人におけるMCIの発症と,登録時に既にMCIが認められた121人の認知症への進展を前向きに検討した。平均追跡期間は3.5年,登録時の被験者の年齢は65〜84歳だった。登録前年の飲酒状況から,アルコール摂取レベルを確認した。
登録時にMCIが認められた患者では,1日1杯未満(アルコールとして15g程度)の適度の飲酒をしている群は,飲酒の習慣が全くない群と比べて認知症へ進展する割合が85%低かった。この関連は,1日に1杯未満のワインを飲むMCI患者でも同様であった。
一方,MCI患者で1日1杯以上飲む群と飲酒習慣が全くない群との間には,認知症進展へのこうした有意な関連は認められなかった。また,認知障害のない被験者においても,レベルによらず飲酒習慣のある群と全くない群との間のMCI発症に有意な違いは見られなかった。
Solfrizzi V, et al.Neurology 2007;68:1790-1799.
私の感想
MCIと診断した患者さん&ご家族から、「どうすれば今後の予防につながりますか?」という質問は当然のごとく聞かれます。そんな時になかなか適切なアドバイスができなかったのですが、今までのデータからすると、「アリセプト」と「1日1杯未満の適度の飲酒」などを推奨することになるのでしょうかね。