アルツハイマー病・「それじゃ帰りますから」

 夕暮れ症候群


 タ暮れ症候群などといい、ポケの人の症状はなぜか、タ暮れ時になると起きてくる。

 清水さんはアルツハイマ−型痴ほうが発症して二年目である。以前は中小企業の社長をしていて、パリパリのやり手だったらしい。

 外来へ来始めのころは、まだまだしっかりしていて、家族の人が言わなければ、ポケているようには見えなかった。「どこがポケているのよ」。電話で親せきの人に奥さんは言われ続けた。人とうまく接することができてしまうのは、アルツハイマ−型痴ほうの初期に多い。

 清水さんが一番困っていたのは、タ方四時ごろになると、自分の家にいても、必す「それじゃ、帰りますから」と言い出し、外へ出て行ってしまうことだった。社長とはいえ、常に同じようなリズムで生活していたので、元気なころには五時ごろいつも会社を出ていたのだ。奥さんは一生懸命に「ここは自分の家だから」と説明するのだが「いや、すぐ近くに家がありますから」そう言って出て行こうとする。そうなったら仕方なし、一緒に外へ出て、家の周りを回って、また自分の家に戻ってきた。

(以下省略)

(米山公啓・天本病院内科医師)

(参考文献:平成10年4月21日 中部経済新聞)

 

私の感想

 私も「夕暮れ症候群」の介護で悩むご家族をたくさん診療しております。早く「徘徊老人追跡システム」が実用化されると良いですね。

 うつ病の患者さんは、午前中調子が悪いことが多いのですが、アルツハイマー病の患者さんでは、夕暮れ時に調子が悪いことが多く、鑑別の参考になります。

 

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