第11回中部老年期痴呆研究会(日本ケミファ後援)がさる10月18日(土)に名古屋観光ホテルで行われました。
当日のメインテーマは脳血管性痴呆とアルツハイマー型痴呆の鑑別についてでしたが、日本医大第2内科の赫(てらし)教授が「脳血管性痴呆の特徴は進行の仕方がまちまちであること」と位置づけたのに対し、東大精神科松下教授は、「アルツハイマー患者も一般には徐々に進行してゆくものと思われがちだが、2〜3年経過を追っていくと進行が止まる人やある時期から急に悪くなるケースもある」と報告した。
●私(=河野和彦医師)も痴呆外来でご家族から「進行していくんでしようね」と聞かれることが多いですが、先の予想を答えるのが難しいということをおわかりになるでしょうか。しかし、悪くなると思って準備しておくことが大切だと思うのです。その結果進行しなけれぱ「儲けもの」と考えるようにすぺきだと思います。そして症状がよくならなくても進行を遅らせるために薬を飲む必要があるということを分かって下さい.
アルツハイマー型痴呆の経過
●松下教授のコメント・・・アルツハイマー型痴呆は患者さんによって個人差があり、その亜型分類で一番参考になるのは、経過のバターンである。第2期に入ると進行が加速されて悪化が目に見えてくるということが多い。一度病状が動き出すと止まらなくなるという感じである。
河野和彦先生(海南病院・老年科)が最近「痴呆症に負けない・知識と実践」という本を出版されました(中央法規出版)。その中でアルツハイマー病の分類を紹介しておりますのでご紹介いたしましょう(P69)。以前にもアルツハイマー病の亜型についてはこのコーナーで紹介いたしましたが、もう少し症状が詳しく記載されておりますので掲載いたします。
1.単純痴呆型(穏やかな痴呆)
一人でおとなしくじっとしている。無関心。受動的。
自分から話したり行動しない(食事や用便に誘導が必要)。
人は困らせない(不潔,錯誤行動が少しあるが)。
忘れることへの無自覚。
2.コルサコフ痴呆型(複雑,活発な痴呆)
社会問題となるタイブです。錯乱、状況誤認、豊富な作話
虚構的加工
悩まず屈託なく,病識がない
あっさりと「知りません」と回避したり,もっともらしくとんちんかんな返答をする。
前頭葉障害だと,多幸でおちゃらけはしゃぎ気味。
3.超皮質性失語型(解体型)
言葉のこわれが目立つ
言語了解わるく, 質問の一部をオウム返しに言う。
いくらでもしやべり続ける。内緒話的なことも。
愛想はよく,やや多幸で接近的態度。
自分なりに没頭した妙なことをやっている=仮性作業(リネン換えなど)