家族の支え映画化

 「痴ほうの画家」愛知の女性!

 『ユキエ』の松井監督:「前向き介護、何か得る」


 「痴ほう症の画家」として知られる小菅マサ子さん(83)=愛知県豊明市三崎町=を、家族が前向きに介護して支える日々をつづった記録「忘れても、しあわせ」(日本評論社)が映画化されることになった。監督は介護と家族愛をテーマにしてきた松井久子さん(53)。八日から名古屋市東区のウィルあいちで開かれるあいち国際女性映画祭99の中で製作発表する。

 

 「忘れても、しあわせ」は、マサ子さんの三男行夫さん(47)の妻もと子さん(47)が、一九九四年に名古屋市内で独り暮らしだったマサ子さんを引き取ってから三年余りの生活を日記形式でまとめた。

 初期の老人性痴ほうと診断されたマサ子さんを「おばあちゃんができること、感じることをそのまま受け止めよう」と家族が適切な介護で支えていった結果、マサ子さんは精神的に安定し、絵画、工芸、俳句、家事などさまざまな能力を伸ばしていった。八十歳からリハビリで始めた油絵は、地元で個展を開くまでになり、マサ子さんの生きる支えにもなっている。 

 テレビのプロデューサーだった松井さんは、米国を舞台にアルツハイマー病の妻と介護する夫の夫婦愛を描いた映画「ユキエ」(倍賞美津子主演)で九七年に監督デビュー。大きな反響を呼び、現在でも各地で毎日のように自主上映会が行われている。

 昨年末「ユキエ」の上映会で、もと子さん、マサ子さんと知り合い、本を読んで感動。すぐにもと子さんと連絡を取り、映画化を申し入れた。その後、小菅さん一家や豊明市を訪れ、取材や交流を深めながらシナリオの初稿を書き上げた。現在は、製作資金集めに奔走しつつ、愛知県内でロケ地を探している。撮影開始は、来春の予定。

 「だれもが、親の面倒を見たいと思う半面、逃げたいとも思っている。でも、介護に主体的に向き合った瞬間から大きな何かを得るのだと、もと子さんの姿が教えてくれる。明るい家族ドラマとして描けたら」と松井さん。

 もと子さんは「突然の話にただびっくりしています。長い介護の間には、きれいごとで済まないこともあるけれど、痴ほうのおばあちやんに、輝いている瞬間があること、忘れても幸せだと思えることを伝えられたら」と話している。 

(参考文献:平成11年9月4日 中日新聞)

 

私の感想

 だれもが、親の面倒を見たいと思う半面、逃げたいとも思っている」:強烈なインパクトのある言葉ですね。

 「ユキエ」も見ましたが、「忘れても、しあわせ」も上映が楽しみですね。

 テレビなどでよく痴ほう症の方の映像が映りますが、ひどく悲惨な状況の様子を捉えたものが多く、「痴ほうのおばあちやんに、輝いている瞬間がある」ということはなかなか映像にはならず、痴ほう症への理解が深まりませんね。そんな姿が今回の映画で描写されることを願っています。

 

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