【考察 】欧米ではデイケアの利用は痴呆患者の施設入所を遅らせることが繰り返し報告されている。今回の我々の結果から本邦においてもデイケアの利用は,年齢,性別,痴呆の重症度,主介護者の同居状態,介護介助者の有無および他の在宅介護支援の利用状況を統制した後にも,アルツハイマ一型痴呆患者の施設入所などの危険率を有意に減少させることが示された。この理由としては患者自身の認知機能や行動異常,精神症状を改善させることによるとも考えられるが,むしろ介護者の負担を減少させることによるとする考えが有力である。Panellaらは,デイケアの利用は施設への入所を遅らせるが,知的機能の進行速度を変えなかったことを報告しているし,Wimoらは,55例のデイケア利用痴呆忠者と44例の非利用痴呆患者を1年間迫跡し,ディケア利用群は非利用群に比し施設入所が有意に少なかったが,認知機能,日常生活活動,行動異常では有意な差がなかったことを報告し,施設入所の減少は介護者の負担を減少させることによると考察している。
(兵庫県立高齢者脳機能研究センター臨床研究科 博野信次)
でも施設入所までの期間を遅らせるということは有意義なことですね。