生活習慣かえて遅らせることも
アルツハイマー病の原因には遺伝と環境要因があるとされており、同教授らは「発症可能性が高い年齢が分かれば、生活習憤を変えるなど発症を遅らせる努力が可能になる」としている。
同教授らが発症年齢層との関係を見つけたのは、アポリポタンパクE(APOE)というタンパク質の遺伝子。この遺伝子には複数の型があり、4型が発症時期の目印になる。
米国の約四干九百人の老人を対象に調べた結果、4型を両親から受け継いだ人は八十−八十五歳までに発症、片親だけからの場合は九十五−百歳までに発症することが分かった。4型を持っていない人は九十五歳以下では発症しない、という。研究グループによると、APOEは発症時期に関与するだけで、アルツハイマー病にかかるかどうかには別の数個の遺伝子がかかわっている。
一方、研究グループが実施した一卵性双生児の調査で、兄弟の片方しか発症していない例もあり、プレイトナー教授は「遺伝以外の要因もあるのは明らか」と指摘した。環境要因としては食生活、運動、化学物質などが挙がっているが、よく分かっていない。
アポEに関する今までの報告の概略を復習しておきましょう。
アルツハイマー病のアポE陽性率は約50〜60%(これに対して正常者における陽性率は13.5%:Utermann報告)ですので、偽陽性も偽陰性もありますので、陽性だから確実にアルツハイマー病(になる)というわけではありません。逆に陰性だからアルツハイマー病にはならないということも言い切れません。従ってアポEは、アルツハイマー病の危険因子と考えて頂けばいいと思います。 同胞にアルツハイマー病のみえる方で、アポEとアルツハイマー病発症の関係を調べてみると、75歳でのアルツハイマー病発症は、ε4を持たない場合は24%、ε4を1つ持つ場合は61%、ε4を2つ持つ場合は86%。また平均発症年齢は、ε4を持たない場合は84.3歳、ε4を1つ持つ場合は75.5歳、ε4を2つ持つ場合は68.4歳と発症年齢も若年化していくことが知られております。