アルツハイマー病

 遺伝子で発症年齢の予測可能!

 生活習慣かえて遅らせることも


 【ワシントン27日共同】老人性痴ほう症のアルツハイマー病の発症年齢層を遺伝子で予測できる、と米ジョンズ・ホプキンズ大のジョン・プレイトナー教授らが、米科学誌ネイチャー・ジェネティクス最新号に発表した。

 アルツハイマー病の原因には遺伝と環境要因があるとされており、同教授らは「発症可能性が高い年齢が分かれば、生活習憤を変えるなど発症を遅らせる努力が可能になる」としている。

 同教授らが発症年齢層との関係を見つけたのは、アポリポタンパクE(APOE)というタンパク質の遺伝子。この遺伝子には複数の型があり、4型が発症時期の目印になる。

 米国の約四干九百人の老人を対象に調べた結果、4型を両親から受け継いだ人は八十−八十五歳までに発症、片親だけからの場合は九十五−百歳までに発症することが分かった。4型を持っていない人は九十五歳以下では発症しない、という。研究グループによると、APOEは発症時期に関与するだけで、アルツハイマー病にかかるかどうかには別の数個の遺伝子がかかわっている

 一方、研究グループが実施した一卵性双生児の調査で、兄弟の片方しか発症していない例もあり、プレイトナー教授は「遺伝以外の要因もあるのは明らか」と指摘した。環境要因としては食生活、運動、化学物質などが挙がっているが、よく分かっていない。 

(参考文献:平成10年7月28日 中日新聞・夕刊)

 

私の感想

今回の報告はあまり目新しいことはないように思いますが、何故か大きく報道されております。但し「APOEは発症時期に関与するだけで、アルツハイマー病にかかるかどうかには別の数個の遺伝子がかかわっている」の部分は、もし完全にアポEが発症そのものには関係なく発症時期にしか関与しないと言い切るのであれば新しい意見ということになります。しかしそうであるならばアポE陰性のアルツハイマー病がもっと多くなるはずなのですが、今までの報告ではアルツハイマー病の50〜60%はアポE陽性ですから発症にもなんらかの影響を及ぼしているようには思うのですが・・・。

 

アポEに関する今までの報告の概略を復習しておきましょう。

 アルツハイマー病のアポE陽性率は約50〜60%(これに対して正常者における陽性率は13.5%:Utermann報告)ですので、偽陽性も偽陰性もありますので、陽性だから確実にアルツハイマー病(になる)というわけではありません。逆に陰性だからアルツハイマー病にはならないということも言い切れません。従ってアポEは、アルツハイマー病の危険因子と考えて頂けばいいと思います。 同胞にアルツハイマー病のみえる方で、アポEとアルツハイマー病発症の関係を調べてみると、75歳でのアルツハイマー病発症は、ε4を持たない場合は24%、ε4を1つ持つ場合は61%、ε4を2つ持つ場合は86%。また平均発症年齢は、ε4を持たない場合は84.3歳、ε4を1つ持つ場合は75.5歳、ε4を2つ持つ場合は68.4歳と発症年齢も若年化していくことが知られております。

 

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