これはニューヨークのコロンビア大学のR・メイユー博士らが発表したもので、まず通常の健康診断と神経心理学的テストを行った後、アボリボプロテインE4の遺伝子テストを行えば、アルツハイマーの誤診を約30%減らすことができるという。
しかしアルツハイマー患者の約40%はアルツハイマー遺伝子を持たないので、遺伝子テストだけでは、病気の診断や予測は不可能であるという。アルツハイマー病は、脳中にプロテインの一種ベータ・アミロイドが蓄積することによって起きると考えられているが、アポリポブロテインE4、略称アボE4は、ベータ,アミロイドに作用してそれを蓄積させることで、脳の異常を引き起こす。
この研究は、全米26カ所のアルツハイマー病センターの痴呆症状のある患者2188人を調査した結果で、研究者の一人であるメリーランド州ベセスダの国立老化研究所アルツハイマー病研究センタ−所長のC・フェルプス博士は、「これにより、アルツハイマー病の診断はより正確となり、患者の家族も助かるはずだ」という。
この研究により、老人性痴呆症にもいろいろなタイブがあり、アルツハイマーと診断された患者のなかにも約10%の、ほかのタイプの痴呆症も混じっていることもわかった。アポE4がない患者の場合はほかのタイプである可能性があり、はかの治療が可能なケースもある。
セントルイス大学医学部老人心理学部のG・グロッスパーグ博士は「アルツハイマー病の因果関係を理解するのにアボE4は重要な鍵となるだろう」という。
(メディカル,トりビユーン 98.3.19)