アルツハイマー病特別ケアユニットが機能的予後にもたらす効果

 機能低下の進行を遅らせる効果は無し!


背景

 ナーシングホームにおけるアルツハイマー病特別ケアユニット(SCU)の設置は、ますまず普及してきているが、それが利用者の予後に及ぼず影響についてはほとんどわかっていない。

目的

 SCUでの生活が、利用者の機能低下にどのような影響を及ぼすかを分析する。計画ナーシングホームの利用者コホートを約1年問、複数の時点で評価した。施設職員がMinimum Data Set for Nusing Home Resident Assessment and Care Screening(MDS)を用いてすべての評価を行った。

設定

 メディケア、メディケイドにより支払いが保証されているナーシングホーム。

参加者

 1993〜94年初めに、力ンザス、メーン、ミシシッビ、サウスダコタ州のすべてのナーシングホーム利用者。800以上の施設で、利用者77,337人に対して経時的にMDSによる評価を行った。この中にはSCUを有する48施設1,228人の利用者が含まれる。

主要検討項目

 運動能力、移動、排泄行為、食事摂取、着衣などにおける機能低下と総括日常生活動作指数。排尿、排便コント□一ルに関する機能低下。有意な体重減少。

結果

 上記の9つの評価項目に関して、SCUの利用者と従来のユニットの利用者との間に有意な差は認められなかった。利用者をさまざまな背景要因に関してマツチさせたうえでサプグループ間の解析を行ったが、SCU利用者においてより良好な予後を示すという結果は得られなかった。

結論

 SCUは家族や利用者にとって計り知れない利益をもたらすと思われるが、痴呆を有する者に関して、その機能低下の進行を遅らせるような効果はみられない。 

(参考文献:平成10年6月号 JAMA日本語版 P84=抄録)

 

私の感想

 アルツハイマー病特別ケアユニット(Alzheimer disease special care units:SCU)は、米国のナーシングホームにおいて普及が進みつつあるもので、1995年にはナーシングホームの10.4%がSCUを設置しております。

 それにしても膨大な数のデータですね。よくぞここまで調べたというようなデータです。日本でもグループホームの設置が進んでおりますが、機能予後の改善を目的にして設置するのであれば無意味であることが明らかになってきたようですので、やはり“介護”中心の視点で考えるのが基本のようですね。

 

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