認知症診療 敬遠される恐れ
4月の診療報酬改定で、後期高齢者診療料が廃止される予定です。
2年ごとに診療報酬の改定が行われますが、長寿医療制度は、平成20年の改定で誕生した制度です。その狙いは、後期高齢者診療料(決められた医療機関での、一部の検査や治療は何度しても定額しか払わない)の導入により、過剰診療を減らし医療費の適正化を図ることでした。
平成18年の改定では、認知症患者在宅療養指導管理料が廃止されました。後期高齢者診療料も廃止されると、認知症に対する指導管理料は、皆無となります。現在、65歳以上の10人に1人が認知症です。認知症は介護面で非常に苦慮する事例が多く、家族への介護指導も含めると、診療時間はかなり長いのが実情です。
私は日本認知症学会の専門医ですが、診療できる認知症患者数には限りがあります。指導管理料の請求が出来なくなれば、手間がかかる認知症患者の診療を敬遠する医療機関が増える恐れもあります。
認知症患者さんとご家族が路頭に迷うことがないよう、4月からの診療報酬改定をしっかり論議して欲しいと思います。