特別講演=科学者と日本社会:野依良治・名古屋大学特任教授!
頭痛外来!
t-PAの経静脈的投与!
2004年10月6日〜8日、名古屋国際会議場にて、第63回日本脳神経外科学会総会が開催されました。
興味深かった演題内容を抜粋してご紹介致します。
(1)ES細胞より分化誘導した神経幹細胞移植による記憶障害モデルマウスにおける機能回復(香川大学 脳外科 松本義人)
機能回復した理由は、移植による局所のアセチルコリン濃度の上昇によるものではないかと推測されているようです。
(2)脳主幹動脈閉塞患者における高次脳機能障害・血行再建術による前頭葉機能改善効果(日本大学 脳外科 加納恒男)
手術前の脳血流が低下していたSTA-MCA吻合術のグループでは、術後の血流増加は顕著ではなかった(軽度上昇)が、WCST(前頭前野機能検査)は有意な改善効果が得られた。
手術は、最終発作後1か月以上経過してから行われたそうです。
(3)頭蓋内脳主幹動脈狭窄症に対する慢性期血管形成術(浜松医療センター 脳外科 中山禎司)
注目されている治療法なのですが、合併症としてdistal embolism:2例、血管損傷によるくも膜下出血:2例があったことが報告されました。
座長コメント:合併症7.3%と言う数字は高すぎて、内科医の先生にはとても許容できない数字ではないでしょうか・・。
(4)ランチョンセミナー:頭痛外来(東京女子医大 頭痛外来講師 清水俊彦)
薬物乱用性頭痛:全頭痛の約8%を占めています。
マクサルト:生理に伴う偏頭痛には非常によく効きます。
子供の偏頭痛は大人とは逆で、月曜〜金曜に多いので、「怠け病」などとも言われてきた。
偏頭痛患者さんは、将来「脳梗塞」を起こすリスクが高い。トリプタン製剤できちんと治療して偏頭痛をコントロールすることが、脳梗塞の予防につながる。
フロアーよりの質問:
小児におけるイミグランの使用は?
回答:
海外では6歳以上なら使用しています。私(=清水先生)も、10歳以上では積極的に使用しております。小児に使用しても特に心配な副作用はありません。錠剤を半分に割って使うか、イミグラン点鼻の使用が便利です。
(5)科学者と日本社会(名古屋大学特任教授 野依良治)
昼食後の眠い時間帯でしたが、ノーベル化学賞の野依先生の特別講演とあって、多くの聴衆が参加しました。
野依先生が尊敬している人物:大河内正敏(1878-1952)。
DNA:ラットとマウスはDNAが25%も違うのに、ヒトとチンパンジーの差はわずか1.3%である。
資源の寿命:
石油:40年
天然ガス:70年
石炭:200年
子供、孫の世代の事を科学者はもっと真剣に考え政府に訴えていかなければならない。
(6)脳梗塞急性期の抗血栓療法(東京女子医科大学脳神経センター 神経内科 内山真一郎)
順調に行けば、来春には、t-PAの経静脈的投与が保険適応となる予定です。
t-PAの経動脈的投与は、中大脳動脈の主幹梗塞に限定すべきであり、経静脈的投与の適応のある患者に対して、経動脈的投与を行うべきではない(米国のガイドラインより)。